ホーム開幕の柏戦で敗北、4戦未勝利の浦和「岡山戦で勝つ」ために(1)トップ下に置きたい「強力な武器」、決めきれない「絶好機」、中盤でスペースを与える「守備の悪循環」の画像
古巣・柏レイソルとの対戦となったマテウス・サヴィオ(写真)。絶好機を演出するも…。撮影/重田航

 2025年3月2日、浦和レッズ対柏レイソルの試合が埼玉スタジアム2002で行われた。試合は、0-2で柏が勝利した。柏のフォーメーションは「3-5-2」の3バック。浦和は、前節の湘南戦と同じフォーメーションの「4-2-3-1」で挑んだ。浦和はトップ下だった松本泰志をボランチに、さらに前田直輝と原口元気をスタメンで使ってきた。

■「競り合いに勝てない」ボランチ

 まず、試合を見ての感想は、「両サイドの幅を使った攻撃」の柏と「決定的な場面で決めきれない」浦和である。柏は守備から攻撃に移る瞬間、全力で走ってペナルティエリアに人数をかけてくる。攻撃から守備のために自陣に戻るときも、ほぼ全員が自陣に戻ってくる。最低でも9人がペナルティエリア内で守備をしていた。さらに、攻撃に関しては、両ウイングバック(以降WB)がワイドに張って高い位置をとる。

 一方の浦和は、スターティングメンバーを前節から変更してきたのだが、センターバック(以降CB)のダニーロ・ボザのポジショニングは相変わらずよくない。一度、井上黎生人を起用してもいいのではないか。

 また、ボランチの安居海渡も、前節同様、相手との球際の競り合いに勝てない。松本泰志か、原口とサミュエル・グスタフソンのボランチを試して欲しい。
 マテウス・サヴィオを左サイドで使っているのは、サヴィオが真ん中に移動したときに、サイドバック(以降SB)が高い位置を取れるようにだが、だからと言ってSBからのクロスが活かされているわけではない。それならば、サヴィオを最初からトップ下に置いたほうがいい。

 浦和には、まったくチャンスがないわけではない。決定的な場面は何度ともなくある。しかし、得点が奪えない。サヴィオのコーナーキック(以降CK)やフリーキック(FK)は正確で、強力な武器になっている。だが、ヘディングでフリーになれてもゴール枠にボールが飛ばない。ゴールキーパー(以降GK)と1対1になってもGKの正面に蹴ってしまう。

 チャンスはあるが決めきれないのは、相手に先に得点を奪われてしまい、あせってしまった結果なのかもしれない。また、シュートがGKの正面をつくのは、相手がシュートコースを狭めているからだ。それならば、シュートを選択しないでサイドにボールを送り、相手の守備のズレを作るやり方もある。いずれにせよ、相手に先に得点を与えないように、試合スタートは守りから入ってもいい。

 また、「浦和はハイプレス」と言っている識者がいるが、試合を見る限り、ハイプレスではない。0-2になって後半やっと前線の選手がプレスに行っていたが、前半からあのようなプレーをしないとならない。

 試合を詳細に分析するために、試合のダイジェストにしたがって話を進めていく。読者の皆さんは、以下のDAZN公式ハイライトを見てプレーの詳細部分を確認してほしい。https://www.youtube.com/watch?v=Md24vh4YixQ

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