後藤健生の「蹴球放浪記」第254回「ますます超便利になった中国旅行」の巻(2)全国で「使える」IC乗車カードも、話せない「苛立ち」はハングルで解消、過ごしやすい「香港」の欠点の画像
朝鮮族自治区では朝鮮民族の聖山、白頭山頂上の火口湖「天池」を見に行ったが、霧で何も見えなかった。提供/後藤健生
 蹴球放浪家・後藤健生は今年2月、中国へとおもむいた。U20アジアカップを取材するためだ。かつては入国することさえ難儀した隣国で感じたのは、中国の大きな変化であった。

■タッチするだけで「自由に乗り降り」

 さて、前にもこのコラムで書いたことがあると思いますが、中国のバスは日本人にとってはとても使いやすいものです。

 中国のバス停にはすべて名前がついていて(バス停に名前がない国もたくさんあります)、車内では「次の停留所はナニナニ」というアナウンスがあり、電光掲示板で文字でも表示されます。もちろん、中国語ですから聞き取れませんが、字を見れば漢字ですから日本人にはすぐに分かります(深センでは最初に中国の共通語である北京語=普通話、次に地元の言葉である広東語、さらに英語でアナウンスがありました)。

 漢字は覚えたり、書いたりは大変ですが、一度覚えてしまえば読み取りやすく、たとえ発音できなくても一目見るだけで識別できる便利な文字です。

 しかも、「深セン通」という日本のSuicaのようなICカードを持っていれば、タッチするだけで乗車できます。現金だとお釣りが出ないので、小銭を常に確かめておかなければなりませんが、このカードがあれば、地下鉄でもバスでも自由に乗ることができるのです。しかも、最近はICカードが全国共通になったので、深センで買ったカードは北京でも上海でも重慶でも、どこでも使える(はず)です。

 香港側のICカード「オクトパス(八達通)」と共通のカードもあります。さらにQRコードで乗車することもできます。

 ですから、試合後のバスが少ない問題があっただけで、バスもきわめて快適に使うことができました。

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