■ポルトガル・サッカー「強さ」の秘密
彼の自慢は、「どこに行っても、すぐにその土地やチームになじむことができる」ことだった。「仮に日本へ行っても、私はすぐに日本の生活に適応し、自分の仕事を十分に果たすことができるだろう。どこに行っても、私はまずその国、そのチームに合わせるよう努力をしてきたからだ。チームを自分の考えに持っていくのはそれからだよ」
そのための「ツール」として、彼は「言葉」を挙げた。英語はもちろんのこと、彼はフランス語もイタリアも自在に使うことができた。ポルトに来てから2か月余りしかたっていなかったが、個人教授で始めたポルトガル語もずいぶん上達し、選手と直接コミュニケーションが取れるようになってきたという。
彼はポルトガル・サッカーのちょっとした「秘密」も話してくれた。
「ポルトガルではかつて宗主国だったことで、ブラジルは『外国』扱いにはなっていないんだ。ポルトガルのリーグは、欧州とブラジルのサッカーのミックスのようになっている。どのクラブにも4人から5人のブラジル人がプレーしているんだよ」
当時、欧州のすべての国で「外国人選手枠」があり、多い国で3人だった。1チームに4人、5人ものブラジル人選手がプレーしているというのは、驚きだった。