■「あそこでデビューすることがプロになるってことだった」

 現在も柏レイソルには知り合いがたくさんいる。DF古賀太陽は「中学の時からずっと一緒にやっていた」と話す存在で、「ユース上がりの子はみんな“タツくん”って言ってくれている」と笑顔で話す。ドイツクラブに所属していた際、シーズンオフの夏に帰国した際には柏の練習に参加したこともあるという。
 しかし、今は川崎フロンターレの一員。チームに勝利をもたらすことしか考えていない。「(公式戦の)連勝は嬉しいですけど、過剰に捉えず、でもポジティブさはあるので、この循環を続けていくしかない。どこかで止まっちゃうとせっかくのいい流れがもったいないので、そのままもの勢いで行きたい」と説く。
 今季の柏はボールを保持してゲームを進めるが、「自分たちは握られることがそんなに苦じゃない戦い方なので、もしかしたら、相手の握る時間が長くなるかもしれないですけど、それを握られてるって捉えるより、自分たちが守ることができてるって捉えられたら」とイメージを膨らませる。
「小さい頃はあそこでデビューすることがプロになるってことだった」と話す舞台で見せたいプレーは得点に絡むこと。「僕は前の選手なので、ゴールやアシストでチームの勝利に貢献したい」と意気込む。
 浦項スティーラース戦は硬いピッチに苦しみ、足に違和感もあったものの、それも今はない。体調不良も問題なく、柏戦に向けた公開練習を見る限りは出場への支障はない。
 憧れだった舞台でデビューできる巡り合わせで恩返しできるか。背番号17に注目だ。
(取材・文/中地拓也)

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