【2025年J2「開幕節」サガン鳥栖VSベガルタ仙台「徹底分析」】4-4-2のミラーゲームのなか仙台FW宮崎鴻が存在感を発揮【戸塚啓のJ2のミカタ】(1)の画像
開幕戦で勝利を飾ったベガルタ仙台の森山佳郎監督  撮影/中地拓也

■開幕戦10試合のう7試合は前半無得点の理由

【2月15日 14時3分キックオフ 鳥栖 0ー1 ベガルタ仙台 駅前不動産スタジアムサガン】

 貴重な勝点3を、敵地でもぎ取った。

 J2リーグ開幕節が2月15、16日に開催され、15日、ベガルタ仙台はアウェイでサガン鳥栖と対戦した。昨シーズン6位でプレーオフ決勝進出の仙台は、就任2年目の森山佳郎監督のもとでJ1昇格を明確なターゲットとする、一方の鳥栖も、1年でのJ1復帰を目ざす。

 この試合の最初のポイントは、試合の入りにあっただろう。

 開幕節には独特の緊張感がある。どちらのチームも勝ちたい気持ちを抱くが、同じくらいに負けたくない、先制されたくない、との思いに駆られる。大胆さではなく慎重さが先行しがちだ。

 開幕節の10試合のうち、実に7試合は前半を0対0で折り返している。昨シーズン4位のモンテディオ山形とJ3から昇格してきた大宮アルディージャの対戦や、J1から降格した北海道コンサドーレ札幌と昨シーズン16位の大分トリニータの対戦でも、前半は得点が生まれていない。互いに精神的な固さがあり、力関係がすぐにスコアに表われにくいのだ。

 お互いに情報が少ないことも、慎重さを助長する。

 仙台が対戦した鳥栖は、J2降格に伴って主力選手が大量にチームを離れた。この日のスタメンのうち、実に8人が新加入選手である。監督も交代している。仙台からすれば、相手がどういう狙いを持っているのかを、事前に読みにくいところがある。キックオフからアクセルを踏み込むよりも、相手の出かたを伺いながらゲームを進めていくほうが現実的なのである。

 仙台も鳥栖も、チャンスがなかったわけではない。得点機を迎えたが、スコアは刻めなかった。前半を0対0で折り返している。

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