■多くの選手で得点を取るチームに

「監督は全員が活躍するチームを作ると言っていた。それが今日1個出たかなと思います。去年は一人の選手がたくさん点取るチームだったと思う。(開幕戦は)みんなで点を取れてるので、まずは良しかなと思います」
 中島がこうも指摘する通り、昨年は10位に終わったチームでFWのレオ・セアラがランキング2位の21得点で、チーム2番目は田中駿汰、ヴィトール・ブエノルーカス・フェルナンデスが3得点で並ぶという、まさしく”レオ・セアラ頼み”だった。
 しかし、その絶対的なエースが鹿島アントラーズに移籍し、分かりやすい得点実績のあるFWもいない中で、誰か一人ではなく、何人もの選手が得点数を伸ばす構図が、セレッソの得点力アップにつながり、上位進出の鍵になってくるはずだ。
 その中でも真の飛躍が期待される北野が、開幕戦のダービーで2得点したことは大きいが、さらに「どれだけ自分がやれるか、個人として大きな自信はあります」と主張するベテランの香川、10番を背負う田中、そして3年間在籍したベガルタ仙台で、大きく成長した中島が、復帰戦でゴールを決めたことは幸先の良い結果だ。その中島のゴールはもう1つ、”パパス・セレッソ”を象徴するゴールでもある。

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