■繰り返せるアップダウン

 いずれにしても、師岡が左に入れば、高い位置からボールを取りにいくことができるし、何本もアップダウンを繰り返せる。そのアグレッシブさは田川以上と言っていい。そうなれば、クロスが入ってくる回数も増えるだろうし、レオ・セアラのゴールチャンスも増える。右の荒木がゴール前に詰めてフィニッシュという形も考えられる。
 いずれにしても、鹿島としては、最大の得点源として期待されるレオ・セアラに早く得点がほしいところ。宮崎キャンプの練習試合、水戸戦を通してエースにゴールが生まれていないのは、鬼木監督もチームメートも気掛かりな部分と言っていい。彼がまず1点目を取ってくれれば、鹿島全体が盛り上がるし、新たな活力も生まれる。鈴木優磨も「今季は自分がレオをアシストする形が多くなる」と語っていたが、40番→9番というホットラインが完成すれば、そこを軸に得点バリエーションも広がっていくだろう。
「最初から全部がうまくいくわけじゃないし、少しずつハマってくれればいいと思っています。いい部分も出てきているので、あとは開幕してどうなのか」と昨年10月に就任した中田浩二・フットボールダイレクター(FD)も少し長い目で見ていく方針だが、もしも開幕戦で華々しい成果が出なかったとしても、新2トップを中心とした攻撃陣を辛抱しながら見守っていくことが、今季の熱狂的ファン・サポーターは求められるのかもしれない。
(取材・文/元川悦子)
(後編へつづく)

(2)へ続く
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