■湘南は5年目だからこその完成度

 湘南は山口智監督体制5年目ということで、キム・ミンテ大岩一貴、鈴木淳之介をベースとする3バックの完成度は高い。それをどう攻略するかを視野に入れると、やはり2人がいい距離感を保ちながら、敵の守備陣のギャップを突いていく効果的なプレーが求められる。
 特にレオ・セアラはクロスからのゴールを得意としている。このため、鈴木優磨がお膳立てに加わりつつ、横からのボールが入ってきた際、2人が思い切って飛び込むような前線の厚みを示していくことが肝要だ。
 前線の彼らを生かし、自らもゴールに関与するべき2列目は、右に荒木、左に師岡柊生という形になりそうだ。右の荒木というのは鬼木監督がキャンプからこだわっているポイント。川崎フロンターレ時代の家長昭博のように中に絞りながら、ボランチやFWと近い距離をキープし、攻めの厚みをもたらしていくプレーが期待されている。
 右にいながらにしてトップ下のように動けることは、荒木にとってもプラス要素。水戸戦からの2週間で彼自身も感覚を研ぎ澄ませているだろう。その成果を重要な今季初戦でしっかりと見せつけてほしい。
 左の師岡は、やはり推進力と前線からのハイプレス、ハードワークが高く評価されての抜擢ではないか。水戸戦では田川が先発していたが、11日の段階でチャヴリッチが全体練習に姿を見せていなかったこともあり、田川をジョーカーとして置いておきたいという鬼木監督の思惑もありそうだ。

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