■丸山祐市「すごいいい経験ができる」
午前11時に実施された公式練習の時点でピッチ上の体感気温は-3度。地面は凍り、音がするほどに硬くなっているが、そのコンディションについて尋ねてみた。
指揮官から最初に話すよう促された丸山は、「実際にピッチに立ってみないと分からない部分があると思いますけど、ピッチはすごく硬いです。明日キックオフのときは多分もっともっと寒いんですけど、僕はどっちかというとネガティブというよりかは“すごいいい経験ができるな”というふうなポジティブな方向に持っていっています。それは僕たちだけじゃなくて、相手も同じ環境の中でやるので、それを言い訳にせず、しっかりと勝てるように準備したい」と、前向きにトライする姿勢を言葉にした。
続く長谷部監督は、「公式練習でスタジアムでトレーニングできたことが良かったです。(どのような状態かを)知ることができました。選手たちも理解が進んだと思います」と慎重に言葉を紡ぐ。
そのような過酷な環境でも、敵地まで大勢のサポーターが駆け付ける。200人とも300人とも大挙すると言われる“青黒き12番目の選手”について聞くと、2人は笑顔でこう話す。
「スタジアムに応援に来ていただけるサポーターの方々の声援に応えられるように、その声援が無駄にならないように、今からそういう気持ちを持って準備して試合に挑みたい」(長谷部監督)
「明日200人以上のフロンターレサポーターが日本から来てくれてすごく心強い。また、テレビで観戦してくれるファン・サポーターもいるので、本当に全員でフロンターレファミリー一丸となってしっかりと勝ちたい」(丸山祐市)
川崎フロンターレ史上、最低気温と言われるこの試合。悲願のACLE制覇のため、そして、新体制の最高の船出とするため、まさかのピッチコンディションを乗り越えて勝利をつかみ取る。
(取材・文/中地拓也)