水戸VS鹿島戦で見えた両チームの「問題点」と「伸びしろ」(1)プレーオフ進出を狙う水戸で「台頭する」若い力、鬼木監督を迎えた鹿島の「新しい」戦い方と「目立った」甘さの画像
比較的、自由に動くことが許された鹿島の鈴木優磨(写真 左)。レオ・セアラら新戦力との「フィット」が今後の鹿島の浮沈を左右する。撮影/重田航

 2025年2月1日、ケーズデンキスタジアム水戸で「いばらきサッカーフェスティバル」として水戸ホーリーホック対鹿島アントラーズの一戦が行われた。試合は1-1の同点だった。試合開始6分にオウンゴールで水戸が先制点をあげる。追う鹿島は、前半15分に田川亨介のゴールで同点にした。試合は、そのまま1-1で終了したのだが、水戸と鹿島の問題点が浮き彫りになった。ここで述べる問題点とは、プレシーズンで「構築された点」とまだ「構築されていない点」だと言える。
 水戸のシステムは、攻撃時は「4-2-3-1」で、守備時は「4-4-2」でツートップが相手の最後尾までプレスにいく。鹿島は「4-4-2」でフォワード(以後FW)鈴木優磨は自由に動くことが許されている。右サイドに流れたり、ペナルティエリアで待ち構えたりする。 この試合を観ての両チームの感想からはじめよう。

■水戸のリーグ戦「最低限の目標」は

 水戸は試合後の監督会見で森直樹監督がリーグの目標順位を「リーグ戦の目標はプレーオフ進出。6位以上ですね。今まで最高成績が7位なので、上回る6位に入って行くことが最低限の目標です」と語ったように、今季のプレーオフ進出は十分にあり得る。
 選手の入れ替わりが毎年、激しい中で、水戸に加入して2年目の選手の成長が見られるので、昨シーズンよりも選手のスキルはレベルアップしている。リーグ終盤は3バックを敷いていたが、この試合では4バックを採用している。
 その理由は2つある。おそらくセンターハーフ(以後CH、ボランチと同義)の役割をこなせる2人の選手が見つかったからだろう。その選手とは、山﨑希一と川上航立の2人だ。
 山﨑は中央大学から加入した2年目の選手で、川上は立正大学からの1年目のルーキーである。「4-4-2」のゾーンで守る水戸は、ボールサイドにスライドしたり、FWが最後尾にプレスに行ったら、縦に移動して追順していかないとならない。「ゾーンプレス」での守備の全体のキーマンとなるのがCHの山﨑と川上のコンビである。 
 彼らはチームにコンパクトさを与えていた。彼らの組み合わせを見て、森監督が4バックを選択したと考えられる。
 

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