■日本人に多い「エジプト型」
「トーキック」のイメージがあるからか、私たちは「toe」を「つま先」と思っている。それは間違いではないのだが、本来、「toe」は「足の指」、すなわち「趾」を指す言葉だった。手の指は「finger」だが、足の指は「toe」というわけである。
手の指の形状にはあまり個人差はなく、いちばん先まで出ているのは大半の人が「中指」だが、足は人によってずいぶん違う。手でいう親指(正確に言うと「母趾」あるいは「第1趾」)が先に出る人と、手でいう人さし指(第2趾)が先に出る人がいる。前者を「エジプト型」、後者を「ギリシャ型」と言うらしい。日本人は「エジプト型」が多く、「ギリシャ型」は20~25%だという。
ちなみに、第1趾から第3趾までがほぼ揃ってる人もいて、それは「スクエア型」と呼ばれている。日本人の5~10%がこの形だそうだ。バレリーナには向いていそうだ。
「toe」とは、本来、第1趾から第5趾(手でいう小指)までの、それぞれを示す言葉だった。しかし、人類が靴を履くようになると、これらはまったく見えなくなるので、「toe」がシューズの先端部を指すようになったのである。サッカーシューズを履けば、エジプト型、ギリシャ型に関係なく、「トーキック」は足指ではなくシューズのつま先で蹴ることになる。