アメリカ大統領に返り咲いたドナルド・トランプ氏は、就任前から世界中を驚かせる発言を繰り返してきた。そのひとつが「グリーンランドを購入する意思がある」という発言だ。そのグリーンランドでは、サッカー協会が気になる動きを見せているという。サッカージャーナリストの大住良之が、その動きが世界に波紋を広げる可能性をズバリ指摘する!
■「独立国」しか加盟を認めない
欧州サッカー連盟(UEFA)は2016年にコソボ・サッカー協会を加盟協会に加え、2013年にUEFAに加盟していたジブラルタル・サッカー協会とともに国際サッカー連盟(FIFA)に正式加盟協会として送り込んだ。これによって加盟協会はUEFAが55、FIFAは211となった。
グリーンランド・サッカー協会(KAK)は「ジブラルタルに次ぐUEFA加盟、FIFA加盟」を目指して盛んに運動していたが、UEFAの国際大会に出場するための基準に適合するスタジアムがないという理由で加盟を認められなかった。
さらに、ジブラルタルを加盟させるにあたってスペインから、そしてコソボの場合にはセルビアから強い反対意見があり、UEFAの収益から全加盟国に分配金や補助金を支払わなければならないことなどもあって、2022年にUEFAは方針を変更、「国連が認めた独立国でなければ加盟を認めない」ということになった。これによって、完全独立しない限り、UEFAへの加盟の道は断たれたことになる。