オーストラリアに地で、2人の元Jリーガーのコンビネーションによる見事なゴールが決まった。ファンタジーあふれるヒールでの元ガンバ大阪MFのラストパスと、そのインスピレーションを感じ取って決め切った元ブンデスリーガ―のプレーに、日本のファンも称賛を贈っている。
オーストラリアでは現在、少なくない日本人選手たちがプレーしている。サッカー日本代表としてワールドカップにも出場した酒井宏樹が昨夏にオークランドFCに加わり、1月21日にも横浜F・マリノスでプレーしていた元日本代表FW水沼宏太のニューカッスル・ジェッツへの完全移籍が発表されていた。
オーストラリアは日本と同様に代表チームをワールドカップに送り込んでいるアジアの強豪国だが、その国内最高峰の舞台であるAリーグでも日本人選手が存在感を示している。その最新版が、現地時間1月20日にウェリントン・フェニックスの日本人デュオの連係から生まれたゴラッソだった。
マッカーサーFCにアウェイで先制を許していたウェリントン・フェニックスは、1点を追う状況のまま後半半ばを迎えようとしていた。苦しい状況だった後半20分、チームに息を吹き返させたのは、2人の日本人だった。
前線で繰り出された1タッチパスは、やや方向が乱れた。だが、その状況をものともしない技術を見せたのは清水エスパルスなどでプレーした石毛秀樹だった。ゴールに背を向ける体勢で中盤へと降りたが、ここで選んだプレーは、まさかのヒールパス。まるで背中に目がついているかのように、正確に右足ヒールでボールをとらえてパスを送った。
この想像力あふれるプレーに感応していたのが、浦和レッズなどでプレーした長澤和樹だった。ドイツでプロキャリアをスタートさせたMFは、パスが来ることを確信していたかのように石毛がパスを送る前から走り出し、見事にボールを呼び込んだ。さらには力強く相手DFの寄せを抑え、瞬時にゴール右隅へと同点ゴールを突き刺した。