蹴球放浪家・後藤健生は、世界でさまざまなものを目にしてきた。中には、想像を超えるものもあった。2003年にバロンドールを受賞した元ユベントス副会長、パベル・ネドベドが育った祖国のチーム、スパルタ・プラハには、25万人を収容できる「巨大サッカー場」があった!
■チェコを沈めた日本代表「豪快な一発」
2004年4月にジーコ監督率いる日本代表はハンガリーとチェコに遠征しました。ハンガリーには2対3で敗れましたが、チェコ戦は久保竜彦の豪快な一発で1対0で勝利しました。
ハンガリーにはその前にも行ったことがありましたが、チェコ(プラハ)は僕にとって初めての土地でした。1964年の東京オリンピックでは「チェコスロバキア」として銀メダルを取ったチームですから、昔から僕にとっては憧れの国。パスをつなぐ中部ヨーロッパのサッカーを象徴するような国でした。
1993年にスロバキアと分離してチェコ共和国となった後も、やはり中部ヨーロッパを代表する強豪国となり、1996年にイングランドで開かれたヨーロッパ選手権(EURO)では決勝に進出。決勝でもドイツ相手に先制しましたが、同点に追いつかれ、延長でオリバー・ビアホフにゴールデンゴールを決められて準優勝に終わりました。
2004年に日本と対戦したときも、チェコは同年にポルトガルで開催されるEUROを控えており、その準備試合でした。そして、2004年EUROでもチェコはグループリーグでオランダ、ドイツを破って準決勝に進出。準決勝では伏兵のギリシャに敗れてしまいましたが、パベル・ネドベド、カレル・ポボルスキー、ウラディミール・シュミツェル、ペトル・ツェフなどを擁するヨーロッパの強豪国の一つでした。