■救済された藤枝順心の「優勝」の意味

 全国高校サッカー選手権大会と並行して、第33回全日本女子高校選手権大会が兵庫県で開催され、男子より1日前の1月12日の決勝戦(神戸・ノエビアスタジアム)では藤枝順心が神村学園を5対0というスコアで破って優勝した。

 大会初の3連覇を決めた藤枝順心は1回戦から決勝までの6試合で得点39、失点0という圧勝ぶりだった。

 だが、藤枝順心は静岡県大会では常葉大学附属橘に敗れていたのだ。

 この大会は昨年まで32チーム参加で行われていたから、従来の方式だったら藤枝順心は出場すら認められなかったかもしれない。だが、今年の第33回と来年の第34回大会は強豪都道府県から2校出場が認められて「52チーム参加」で行われたため、藤枝順心は救済されて全国大会で圧倒的な強さを発揮したのだ(再来年の大会からは、各都道府県代表だけとなる予定だという)。

 せっかく全国トップクラスの強豪チームが存在し、高校生年代の最高のタレントがいるのに、「都道府県」という縛りのせいで全国大会に出場させないのは非常にもったいない話ではないか。男子の大会も女子の大会も、ぜひ、全国大会を64チーム出場に拡大すべきだと思う。

 1回戦が8試合増えるので、今のやり方だと4会場を増やす必要があるが、今は首都圏のサッカー施設は充実しているので不可能ではないだろう。あるいは、開会式が行われる日にも1回戦の試合を行えば、会場数を増やさずに実施することだって可能だ。

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