■長谷部色が見られた練習メニューとルール
さらに、この日の練習メニューの度に細かい指示とルールが出された。3対1の練習やコントロール練習においても、持久力メニューでも、それは変わらない。シーズン冒頭だからこその走りながら考えることの基礎作りも兼ねてはいるが、そこには指揮官のやりたいことも含まれていた。
たとえば、7日のあるコントロール練習では、トラップした際に「10mのプレーエリアを確保してください」と指示。近寄りすぎないでプレーするイメージを共有しようとしていた。
また、人形を置いて状態でボールを受ける際、「人形よりマイナスで受けたら前に運ぶ」などのルールも設けられた。
8日の練習で“長谷部色”が見られたのは4対2の練習。一見すると通常のボール回しに見えるが、それで得られるフィジカル的な要素も含みながらも、ボールをつなぐイメージが共有されようとしていた。長谷部監督は実際に自身でボールを保持し、守備者を近づけたうえで「DFがこう来たら…」と複数パターンのつなぎかたを説明。その際、タッチ数とタメについての考え方、ひざ下パス・ひざ上パスのルールも設けたうえで、潤滑なボールの運び方をイメージしていた。
「(この時には)攻撃の権利を持つ意味合いを持ちます」
「向こうに一人いるイメージ」
そうも話して、今までは違った「距離感」を選手に呼びかけているようだった。