■個人能力に差がある「3強」と「それ以外」

 広島は、クラシエカップでI神戸に完勝した。

 たしかに、ボール・ポゼッションではI神戸が上回ったし、後半は1点を追うI神戸が押し込み続け、広島は5バックで跳ね返すだけの展開になってしまった。シュート数では広島の4本に対して、I神戸が10本だった。

 勝利した広島の吉田恵監督も「もっと攻める時間を作りたかったし、前からプレスをかける守備をしたかった」と語っていたが、これはある意味で仕方がない。

 I神戸は(あるいは「3強」は)代表クラスの選手多数を擁し、I神戸にはスペイン人を中心に外国籍選手もそろっている。現状では「3強」以外とは個人能力の面で大きな差があるのだ。

 だが、広島は非常に組織的な守備を構築し、ボールを持たれ、ロングボールで押し込まれながらも、決定機はほとんど与えなかった。あれだけ、ボール保持で圧倒し、1点を追っていた広島の後半のシュート数が5本でとどまったことが、そのことを如実に物語っている。

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