■J1でも通用するゴールスコアラーは

 清水はもともとアカデミー出身の年代別代表選手は少なくないが、10代の逸材が右肩上がりで成長した例は残念ながら少ない。そこはクラブ全体の課題で、反町康治GMも問題視している点。すでにアカデミースタッフを集めた研修会を実施し、クラブとしてのフィロソフィーや指導方針の徹底を図っている。すぐに成果が出るとは限らないが、人口の少ない地方が本拠地の清水は才能ある選手を大きく伸ばさなければ、輝かしい未来が開けてこない。そこは今一度、注文しておきたい点である。
 特にJ1でも通用するゴールスコアラーが出てきてほしいもの。北川も来季は徹底的にマークされるだろうし、彼1人だけに決定力の部分を任せておくわけにはいかない。J1で躍進したいと思うなら、2ケタゴールを奪える人材が2~3人は必要。新戦力候補のアフメド・アフメドフの迅速な適応は重要だが、西原のような若手が一翼を担えるようになれば理想的だ。
 清水の補強は年明けまで続くだろう。その動向を踏まえつつ、2025年の清水が見る者を驚かせるほどの大躍進を遂げることを強く願いたいものである。
(取材・文/元川悦子)

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