■あの環境でのプレーが「大きな財産」に

 これは、大学サッカーだけではない。育成年代共通の課題だ。

 たとえば、高円宮杯U-18プレミアリーグはこの年代(第2種)の最高峰のリーグだ。だが、ほとんどの試合は練習グラウンドとか高校のグラウンドで行われる。せめて、半分くらいの試合を各クラブの本拠地スタジアムで、多くの観客が入った状態で試合をさせたいものだ。

 もう、20年以上前のことだが、アルゼンチンでボカ・ジュニアーズ(ディエゴ・マラドーナも所属)対リーベルプレートのスーペルクラシコを観戦に行ったことがある。そうしたら、トップチームの試合の前にユースの試合が行われていたのだ。その時点で、ボンボネーラにはすでに4万人ほどの観客が入っており、両クラブのインチャ(サポーター)たちはトップチームの試合と変わらないようなハイテンションで応援を続けていた。

 若いうちから、あのような環境でのプレーを経験できるのは大きな財産となる。やはり、無観客のような試合とは、緊張感、真剣度に違いが出てしまうのではないか……。

 大学連盟は、そういった観点からも多くの観客を集める工夫をする責任があるような気がするのだが……。

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