■大学連盟は「諦めてしまったのか」

 三笘や旗手の時代に比べれば、現在は大学勢とJ3リーグとの差は拡大した(大学勢はコロナ禍の影響を大きく受けたし、J3リーグはこの数年でレベルアップした)。だが、現在の大学リーグのレベルもけっして低いわけではない。

 それなら、一般観客を動員することだって不可能ではないはずだ。

 だが、現状で大学連盟は一般観客の動員を諦めてしまったようだ。「選手のために試合さえできればいい」と考えているのだろうか?

 大学のグラウンドで試合を行うことによって、一般学生が観戦に来る機会が増えたというポジティブな影響があったことも承知しているが、「一般観客は来ない」という前提で大学のグラウンドや地方会場での試合ばかりにしてしまったのでは、観客数という面では縮小のスパイラルに陥ってしまう。なんとかして、一般観客の動員を図るべきなのではないか。

 というのは、将来のプロ入りを目指している選手のためにも、やはり多くの観客が入ったスタジアムでの試合経験を増やしたいのだ。

 もちろん、優勝を懸けたリーグ戦やインカレはすべて真剣勝負だ。また、将来のプロ入りを目指す選手たちにとっては、気を抜いていいプレーなどない。

 だが、観客のいない大学のグラウンドでの試合ばかりでは、緊張感を持って試合に臨む体験が不足するのではないだろうか?

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