■岡山の3-4-2-1が機能する「目印」とは
戦術と、戦略と。
情熱と、闘争心と。
勇気と、団結と。
あらゆるものが問われる最終決戦が、12月7日に行なわれる(13時5分キックオフ、会場は岡山県のシティライトスタジアム)。
J1昇格プレーオフ決勝だ。
リーグ戦5位のファジアーノ岡山と、6位のベガルタ仙台が対峙する。岡山はクラブ史上初のJ1昇格を、仙台は2021年以来のJ1復帰を目ざす戦いとなる。
仙台がJ2に降格した22年以降の対戦成績は、岡山が圧倒している。4勝2分と負けなしだ。今シーズンは敵地ユアスタで4対1と大勝し、ホームCスタでは2対0で勝利している。どちらも内容でも上回った快勝だった。
岡山は、4位のモンテディオ山形とのプレーオフ準決勝は、前半のうちに2点をゲットし、数的優位に立った後半に決定的な3点目を奪った。失点を覚悟するような場面は作らせず、3対0で勝利した。
その山形戦では、前線からのハイプレスで主導権を握った。3-4-2-1のシステムで1トップの一美和成と2シャドーの岩渕弘人と木村太哉が規制をかけ、二度追い、三度追いでプレッシャーを継続する。ダブルボランチの田部井涼と藤田息吹が連動し、敵陣でボールを奪ってショートカウンターを発動させていった。
決勝で対峙する仙台は、自陣からのビルドアップに山形ほどこだわらない。相手GK林彰洋が蹴り出すこともある。岡山は3センターバックの田上大地、阿部海大、鈴木喜丈が確実にそのボールを跳ね返し、セカンドボールを回収して攻撃を展開していくことになるだろう。
3-4-2-1のシステムが機能しているかどうかは、ウイングバックのプレーエリアを見ると分かりやすい。右の本山遥、左の末吉塁が、守備時に相手サイドバックに素早くアプローチできていれば、チーム全体が後ろに重たくならず、守から攻への切り替えがスムーズになるのだ。