【ベガルタ仙台と長崎との大一番を分けた2つの強さ(2)】ピッチ上の選手が抱いた「危惧」を吹き飛ばした76分の林&中島の行動と、守り切ってもいい場面で「ついていかなあかん」がもたらしたものの画像
V・ファーレン長崎戦で自身2点目を決めた瞬間のベガルタ仙台の中島元彦 撮影:中地拓也
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 4-1と快勝に見える結果ながら、ベガルタ仙台の選手が危機感を感じた場面がある。V・ファーレン長崎とのJ1昇格プレーオフ準決勝の後半31分だ。

 すでに3点を決めていた仙台だが、この瞬間、長崎が1点を返す。すでに2点目の時点で試合は決していたように見えたが、ピッチの上にいた選手の感じ方は違った。
 最後尾でゴールを守っていた林彰洋は前に出てきて、大きな言葉を味方に投げかける。中島元彦も、周囲の選手をつかまえてジェスチャーを交えながら何かを共有しようとする。その表情は極めて厳しく、3点差が2点差になっただけのものとは思えなかった。
 試合後、中島にその場面について振り返ってもらうと、「あの失点した瞬間は正直、チームとして嫌な空気が流れてました」と口にする。「時間もアディショナル(タイムを)入れて残り20分くらいあった中で、全員が多分、時計を見てしまっていて。空気感があんまり、なんか、こうやられるときの非常によくない空気感だった」と説明し、そうした空気を打破しようとしたとする。
「負けても、自分たちが悔いないようなプレーをしようって。もう1回、イチから守備を頑張ろうって声かけました」
 前半に重要なPKを真ん中に蹴ってその責務を果たすとともに、チームに勢いをもたらした背番号7は、プレー以外でもチームを力強くけん引してみせた。

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