【18歳の逸材FW神田奏真が照らす川崎の未来とは(1)】山田新と異なる絵を描いた中で生まれた2人によるゴール……プロデビュー戦で初ゴールから8日後のホットライン開通の画像
山田新と喜ぶ川崎フロンターレの神田奏真 撮影:中地拓也

 シュートのこぼれ球に狙いを定めて、24歳のエースはファーから中央へさらに加速していった。ボールを必死に追いながら、期待の逸材は相手ゴール前の状況を完璧に把握していた。次の瞬間、未来へつながるホットラインが開通した。

 ホームのUvanceとどろきスタジアムで山東泰山(中国)と対峙した、AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)のリーグステージ第6節。川崎フロンターレが大量3ゴールを奪い、守備陣が無失点と踏ん張って迎えた90分だった。
 MF橘田健人の縦パスを受けたMF河原創が、素早く反転してスルーパスを送る。ターゲットは6分前に投入されていた高卒ルーキー、FW神田奏真。この18歳は、ペナルティーエリア内を左側へ膨らみながら思考回路をフル回転させていた。
「角度的にけっこう厳しかったけど、走っている最中に(山田)新くんの姿が見えていたので。横パスが通れば入ると思って、うまく折り返せました。パスがちょっと弱い感じでしたけど、新くんがギリギリで詰めてくれてよかったです」

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