■選手が感じたこととは

 今季の2試合同時の下克上は珍しい結果と言えるが、その要因の一つとしてJ2最終節からの中断期間も影響していたかもしれない。
 今季のJ2最終節は11月10日で、この準決勝までに3週間空いていた。昨季は最終節が11月12日で、準決勝が同26日ということで、2週間空いていたが、今季はそれより1週間長くなっている。
 今季の3位・長崎は最終節で5連勝を記録して2位・横浜FCを猛追しており、4位・山形は最終節まで9連勝。どちらも勢いを持ってJ1昇格プレーオフに進んでいたが、3週間の中断期間はその勢いを萎ませてフラットな状態での戦いに持ち込んだのかもしれない。
 6位・仙台は長崎に4-1と快勝したが、ゴールを決めるなど躍動した郷家友太は、「僕の個人的な意見ですけど」と前置きをしたうえで、「長崎の方がやりづらいんじゃないかなっていうのは僕は思ってて」と話す。
「引き分けでもいいという考えが少しでもあると、戦い方は難しいと思いますし、僕たちは失うものはないので、ボールを持ってても持ってなくても、“前”だったので、すごくリラックスじゃないけど、気持ち的にはちょっと相手よりは楽なんじゃないかなとは正直思ってました」
 その郷家は、試合前の3週間の中断期間で充実した練習ができたとも話す。
 また、森山佳郎監督は3週間の中断期間の冒頭に4連オフを設けて、体と頭の切り替えを促していたと話しており、下位チームのほうが気持ち的に割り切った過ごし方をできたのかもしれない。
 当然、勝負は水物。どうなるかは分からない。また、勢いだけではない強さこそ、J1で戦ううえで必要なもの。まずは12月7日の決勝戦を見守りたい。

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