第104回のサッカー天皇杯決勝が11月23日に行われ、ヴィッセル神戸が1-0でガンバ大阪を下して5大会ぶり2度目の優勝を飾った。1点を争う緊迫のゲームとなった中、G大阪の決定機に話題が集まった。
Jリーグ発足後の天皇杯で史上初の関西対決となった今回、試合前から両チームのサポーターによる応援合戦が行われた。その数とパワーではクラブ通算10冠目のタイトル獲得を目指したG大阪がリードし、試合開始後も優勢に試合を進めたが、途中から昨季リーグ王者の神戸が試合巧者ぶりを発揮して押し返す展開。そして後半19分、神戸がGK前川黛也のロングボールからの攻撃で、武藤嘉紀のクロスのこぼれ球を宮代大聖が詰めて先制した。
その後の後半31分だった。G大阪が反撃に転じ、途中交代で入ったファン・アラーノが右サイドをドリブルで突破して柔らかいクロスを送ると、ゴール中央でフリーとなっていたダワンが持ち前の跳躍力から強烈なヘディングシュート。GK前川も含めて神戸守備陣全員がボールを見送ったが、シュートは僅かにゴール右の枠外へ逸れた。
ダワンは前半にもヘディングで、後半は右足ミドルで、ともに綺麗な流れの攻撃から惜しいシュートを放ったが、ともに神戸GK前川に防がれて、この日のG大阪にとって最大の決定機も仕留めることができず。0−1のまま、右太もも裏肉離れで欠場したエースの宇佐美貴史の存在も痛感しながら試合終了を迎え、涙を飲むことになった。