後藤健生の「蹴球放浪記」第240回「『最〇端』への遥かなる道」の巻(1)初の「最西端」はスペインW杯、中田英寿ローマ戦で「最南端」への画像
ロカ岬では、こういう証明書を手に入れることができる(売っている)。提供/後藤健生

 蹴球放浪家・後藤健生は、世界の隅々までサッカーを追って放浪する。さらに、ひとつの国に入れば、その隅々までも取材する。セリエA取材で訪れたイタリア、「ドーハの悲劇」で知られるカタールで、端の端まで取材を敢行してきた。

■放浪家にとっての「夢の目的地」

「放浪家」にとっての夢の目的地の一つが「最〇端」です。地図を見ていると、どこかの国の「最南端」とか「最北端」というのが、いつも気になります。しかも、陸上国境でないとすれば、「最〇端」は岬になっている場合が多いので景色も良さそうです。

 ただし、「最南端」や「最北端」はアクセスが悪いというのも事実です。

 たとえば、日本の「最北端」は北海道稚内市の宗谷岬のさらに北にある弁天島という島ですが、ここは無人島で、宗谷岬付近で漁船をチャーターするしかないそうです。

 いわゆる北方領土を含めると、日本の「最北端」は択捉島のカモイワッカ岬というところだそうですが、ここは現在ロシアが占有していますから、ロシアのビザを取らないと行くことができません(ロシアのビザを取って訪れたら、日本政府に怒られてしまいます)。

 日本「最南端」は東京都小笠原村の沖ノ鳥島、「最東端」も小笠原村の南鳥島、「最西端」は沖縄県与那国島沖合の岩ということで、いずれも上陸すること自体が難しい場所です。

 本土だけに限れば、「最北端」は宗谷岬、「最東端」が北海道根室市の納沙布岬、「最南端」が沖縄県糸満市、「最西端」が沖縄県那覇市なので、いずれもアクセス可能ですが、残念ながら僕はどこにも行ったことがありません(近くでは試合もなさそうですし……)。

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