■岡山のキーマンは
岡山の強みは1トップに張るFW一美和成のポストプレーを起点とした速攻だ。夏にJ1の京都から加入した一美はここまで1得点1アシストと目に見える結果はなかなか残せていないが、相手のディフェンスを背負いながらタメを作り、13得点を記録しているシャドーの岩渕弘人などを前向きにさせる仕事をハイレベルにこなしている。
一発勝負でもあるので、自陣でボールを奪ったところからロングボールを一美がフリックして、岩渕が仕留めるといったシンプルな形で1点奪ってしまえれば、アウェーの岡山も残り時間を有利に進められる。
岡山はリーグ戦で前半17得点、後半31得点という数字が示す通り、後半勝負型の傾向がある。もちろんスコアレスのまま時間が進むほど、引き分けでも勝ち進めるアドバンテージのある山形がゲームコントロールしてくることも予想される状況で、岡山としては多少リスクを負った攻撃も必要になってくる。
そこでキーマンになってくるのが191cmのサイズを誇り、スピードもあるFWルカオだ。スタメンでも13試合に出ているが、終盤戦は主に勝負をかけるジョーカーとして木山監督に重用されている。さらにJ2有数のテクニシャンである神谷優太も攻撃の変化を付けられるタレントで、セットプレーのキッカーとしても違いを作れる。
これまでの対戦を考えても、一瞬の判断や1つのプレーが勝敗を分ける、色々な意味で際どい勝負になってきそうだが、普段は手堅い岡山が、そのままのスタンスで少ないチャンスを決め切って、試合を有利にしていくのか、それとも山形が持ち前の支配力をうまく生かしながら、岡山に隙を与えず同点、あるいは先に得点を奪って相手を追い込むのか。両監督の選手交代も含めて注目していきたい。
(取材・文/河治良幸)