■「あと数試合しかないですがやり続けるべきところ」

 この試合をどう受け止めるべきか。試合後の鬼木達監督に聞けば、「悔しいです。特に最後のほうは押し込んだシーンも数多くありました」と率直な気持ちを表したううえで、「最後の質のところ、そこが勝負じゃないかという話を選手にしました」と明かす。
 そして、「試合全体を通すと質の部分で、ふだんは起きないようなミスも多くありましたので、そこは反省点だと思います。ゴールを取るためのアイデアとか(が必要で)、最後はクロスだけになってしまってGKがキャッチするシーンも数多くありましたし、一つえぐったあとの迫力や、ゴール前でこぼれたシーンで相手のほうが人数が多かったりしたので、人数のかけ方もまだまだやらなければいけないと思っています。ただ疲労もあったと思うので、疲労が出ないぐらいの質を求めて、あと数試合しかないですが、やり続けるべきところだと思います」と、残り少ない中でも質の向上が必要だと説く。
 得点に直結する最後の質、それをアシストするための質、ボールを持つための質。鬼木政権8年目のフロンターレは、最後までその質を追い続ける。
 では、選手はこの引き分けをどう受け止めたのか――。
(取材・文/中地拓也)
(後編へ続く)

(2)へ続く
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