■「外国人監督」招聘にこだわる必要はない
せっかく外国人監督を招聘するなら、やはりワールドカップなどの国際大会で代表チームの指揮を執った経験のある人物を探すべきだ。そして、ハリルホジッチの轍を踏まないように、その指導者の目指すサッカーが日本がこれまで築き上げてきたスタイルに適合することが最も重要だ(その点をクリアできれば、経験のない若手指導者でもいいのかもしれない)。
また、「外国人」ということに拘泥する必要もない。
男子代表で森保一監督が成功したことでも分かるように、今の日本の指導者たちの能力は、必ずしも外国人指導者に劣るものではない。ただ、女子サッカーに携わっている日本人指導者には、年代別代表監督経験者を除いて、国際大会での経験が欠けているのが問題だ。
サッカー・スタイルの適合性という意味では、日本人指導者なら問題はない(どのような指導者なのかも、よく分かっている)。
たとえば、WEリーグで実績を持つ日本人指導者でもいいし、あるいはこれまで女子サッカーとの接点がなくても、男子の各代表あるいはJリーグで実績を残してきた指導者という選択もありうるだろう。
Jリーグは、国際的にもかなりレベルの高いリーグだ。しかも、Jリーグは対戦相手がともに戦術的な対策を打ち合うという、指揮官にとってはかなり難しいリーグだ。この修羅場を潜り抜けて成功を収めた指揮官なら、女子の国際大会でも十分に通用するはずだ。
女子の指導には、男子チームとは違った難しさがあることは事実だが、その辺の相性は面談を通じて見極めることができるだろう。
とにかく、拙速に新監督を選ぶこと、あるいは「外国人」という言葉が独り歩きして選択の幅を狭めてしまうようなことは、ぜひ避けてほしいところである。