■八百長問題にかかわった疑惑で「契約解除」
かつて、男子日本代表ではハビエル・アギーレ監督が、スペイン・リーグでの八百長問題にかかわっているという疑惑が生じて、日本サッカー協会は早々に契約を解除してしまった(アギーレ監督の有罪が確定したわけでも、起訴されたわけでもなかったのに……)。
それは、アジアカップが終了した直後の2015年初めのことだった。ヨーロッパでのシーズンの真っ只中という時期だった。
原博実技術委員長の下で新監督探しが始まったのだが、すでにシーズンの真っ盛りだったので、監督候補のリストは限られていた。
そして、辿り着いたのが、2014年のブラジル・ワールドカップでアルジェリア代表の指揮を執った後、トルコのトラブゾンスポル監督に就任しながら、3か月ほどで契約解除となり、その後フリーの立場にいたヴァイッド・ハリルホジッチだった。
しかし、結果的にハリルホジッチという選択は成功せず、チーム内に混乱を生んだあげく、ロシア・ワールドカップ開幕まで3か月と言う時点で契約を解除することになってしまった。結果論として言えば、「拙速な選択だった」というのが結論だった。
従って、これから再開される女子代表監督選びでも“あせり”は禁物。日本の女子サッカーの将来像や指導者としての経歴や能力を照らし合わせて、納得のできる人物が現われるまで時間をかけて選択や交渉をすべきだろう。
幸い、女子サッカーのカレンダーはオリンピック終了から、次期ワールドカップまで3年という時間がある。当面、暫定監督の下で活動しながら、納得できる人選を待つこともできるはずだ。