ドイツの名門が、ふだんとはまったく違うカラフルな特別ユニフォームを発表した。そのデザインと、込められた社会性に、賛辞の声が続々と上がっている。
シャルケは1904年に創設され、ブンデスリーガでの優勝こそないものの、前身であるドイツの全国選手権を数度制した名門である。また、最近では吉田麻也や板倉滉、そしてかつては内田篤人氏と、サッカー日本代表選手たちも複数所属した、日本と縁浅からぬクラブだ。
現在戦っているのは、ドイツ2部リーグの舞台である。だが、ホームのフェルティンス・アレーナには多くのファンが集い、名門たる威厳を保ち続けている。
また、国内外から尊敬を集めるのは、クラブの規模だけによるものではない。その精神性にも、多くの人が称賛の声を寄せるのだ。
シャルケは今週末、特製ユニフォームを着用する。この試合のためだけの、特別なユニフォームだ。
シャルケと言えば、クラブカラーの深い青が印象的で、ユニフォームも高貴さをたたえている。だが、今回発表されたユニフォームは、そのイメージとはまったく違うカラフルなものとなった。
やはり青は使われているのだが、同じくらいの面積を占めるのが水色だ。そして、前面の脇腹や肩の近くにはピンクが走り、襟や上腕部の3本戦には白が配されている。
実は、この4色には意味がある。このユニフォームは、あらゆる形でがんと戦うNPO団体『Deutsche Krebshilfe』の設立50周年を記念するもので、ピンクは乳がんなど、ドイツ国内で罹患する人が多い4種類のがんを表しているのだという。
シャルケによれば、1978-79シーズンにも、同団体の名前を胸に記したユニフォームを着用していたという。45年の時を経て、ともに長く活動を続ける2団体が、再び手を取り合ったという格好だ。
今回のユニフォームでも、同団体の名前が胸部分に大きくプリントされている。ふだんは胸部分を占めているスポンサーも、今回のユニフォーム作成にあたって、快くその場を譲ったという。