後藤健生の「蹴球放浪記」第236回「後藤健生の世界イヌネコ放浪記」の巻(2)驚いたパリ地下鉄の「リードのない」大型犬と、住む国で違う「横向きか腹ばいか」犬の寝相の画像
コパ・アメリカ2011のADカード。提供/後藤健生

 世界には、さまざまなサッカーがある。そして、さまざまなペットがいる。人も文化も違うからだ。ペットたちの存在がサッカーにどれほど影響しているのかは分からないが、サッカー取材を通じて知った「世界のイヌネコ事情」を、蹴球放浪家・後藤健生が愛を込めてつづる。

■南アフリカでも「主流」は…

 そういえば、南アフリカ・ワールドカップのときに泊まった「Big Tree B&B」(俗称「大木旅館」)にも大きな犬がいて、試合を見て帰ってきたわれわれ日本人記者団を温かく歓迎してくれていました。僕は、旅館側との連絡に便利なように入り口や本館に近い部屋に泊まっていたので、犬はいつもそばをウロウロしていました(連載第46回「大木旅館の愛しのトリフィーナ」の巻)。

 あれも、人懐っこい、そして、かなり大きな犬でした。

 日本では、最近は家中で飼う小型犬の人気が高いようですが、アルゼンチンでも、南アフリカでも、やっぱり大型犬が主流のようでした。それはそうですね。アルゼンチンは人口(4000万人)よりも牛の数のほうが多いと言われる牧畜の国。牛肉のさまざまな部位を焼いたアサードというご馳走があります。

 南アフリカも、一歩もそれに引かぬ肉食の国。こちらでは、BBQのことを「ブラーイ」と呼んでいます。

 そうした牧畜の伝統がある国の人にとっては、大型動物を扱う(飼育して、繁殖させて、そして屠殺する)のはお手の物なのです。

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