後藤健生の「蹴球放浪記」第236回「後藤健生の世界イヌネコ放浪記」の巻(1)メッシのアルゼンチン、ネイマールのブラジル敗退を癒した犬たちの画像
インドネシア、バンドンで出会った猫。提供/後藤健生

 世界には、さまざまなサッカーがある。そして、さまざまなペットがいる。人も文化も違うからだ。ペットたちの存在がサッカーにどれほど影響しているのかは分からないが、サッカー取材を通じて知った「世界のイヌネコ事情」を、蹴球放浪家・後藤健生が愛を込めてつづる。

■犬や猫にはモテる、女性には…

「蹴球放浪記」では、これまでに何度か犬を食べる話を書いてきました(たとえば、連載第5回「本場ピョンヤンで犬を喰らう」の巻)。それで、僕のことをドッグ・イーター=動物の敵だと誤解している方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。僕はペットの犬、猫も大好きです。

 いや、犬や猫にも好まれるほうです。

 女性には、残念ながらモテませんでしたが(これまでのところ……)、犬、猫には好かれます。

 昨年、U-17ワールドカップ観戦のためにインドネシアのバンドンに行ったときも猫に大モテでした。

 泊まっていたバンドン中央駅から歩いてすぐのホテルの隣に、小ぎれいな中国式の麺の店がありました。時間が早かったせいか席はガラガラだったので、外の通りがよく見える席に座りました(たいした景色ではありませんが、初めて訪れた街では通りを歩く人を見ているだけでも楽しいものです)。

 カウンターでまず注文と支払いを済ます方式だったので、それを済ませて椅子に座って麺を待っていると、どこからともなく猫がやって来ました。まだ、小さな若い猫でした。そして、僕の脚にまとわりついてきたのです。

 すぐに行ってしまうかと思っていましたが、相手をしていると、いつまでも僕の足元をウロウロしています。

 麺がやって来ました。店員が、その猫を奥に連れて行ってしまいました。まあ、迷惑だと思ったのでしょう。

 そして、麺を食していると、いつの間にか、また猫がやってきました。そして、店を出るまで猫は僕の足元から離れようとはしませんでした。

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