■しなければならない「仕事」

 しかし、それにしても、近年のワールドカップにおける記者席の「観客席占有率」の高さは、ときに常軌を逸しているように思えてならない。電源やwi-fiなどの設備は必要にしても、デスクをもっと小型化し、「1人で6人分」などという馬鹿げたことはやめて、せいぜい2人分ぐらいで済ませられるのではないかと、私などは思ってしまうのである。それによって、一般席とのバランスはかなり改善されるのではないか。

 こうしたわけで、パソコンとノートを広げられる記者席にゆったりと座るとき、そして必要ならパソコンやスマートフォンをコンセントにつないで充電しながら、私はチクリと心が痛む思いがするのである。

 今回の記事の最も重要な眼目は「自戒」である。「トリビューン」という一段高いところに座って「上から目線」の記事を書くのではなく、ファンの理解の助けになり、サッカーをより良いものにする仕事をしなければならない。「護民官」のように―。「プレス・トリビューン」の意味を、しっかりとかみしめたいと思うのだ。

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