■鈴木優磨「思った以上に前半は機能しなかった」
しかしながら、試合が始まってみると、新たな攻撃陣が思うように機能せず、攻撃面がノッキングしてしまったのだ。
「今週(ケガから復帰して)右だったんでちょっと驚いた部分もありました。特徴を出そうという気持ちで入ったんですけど、どうしたらいいのか分からなかったですね」と藤井は戸惑いを口にする。左の鈴木優磨も「右で起点を作って俺が仕留める形かなと思っていたけど、思った以上に前半は機能しなかった」と不完全燃焼感を吐露。3バック相手に懸命に体を張った師岡も「相手が硬くて厳しかった」と顔を曇らせた。
そういう状況だから、前半のシュート数が3本にとどまるのもやむを得ない。決定機と言えるのは、前半40分に名古のFKに知念が反応し、ゴール前でヘッドをお見舞いしたシーンだけ。このシュートはGK永石拓海の正面。惜しくも得点には至らなかった。
スコアレスのまま迎えた後半。中後監督は藤井と樋口雄太をスイッチ。これで流れが変わらないと見るや、今度は須貝と柴崎を下げ、三竿と徳田誉を投入する。徳田が最前線に入り、師岡が右へ移動するのは想定内だったが、三竿が右SBに入ったのは意外な形。守備力のある彼に右サイドの守りを託して、師岡に広いスペースを打開してもらおうという意図があったのだろう。
それでも得点機を作れないと判断すると、ラスト15分を切ったところで最後のカードを切る。師岡と名古を下げ、ターレス・ブレーネルと舩橋佑を起用。舩橋と知念をボランチに並べ、再び樋口を右MFに上げ、ターレスを左MFに配置する前任者時代には見られなかった形にトライしたのだ。