■守田英正と田中碧の関係性
「相手がオーストラリアだったりすると、カウンターもある中で。多少、自分も、様子を見ているところもあったので。結果的に、最後、後半に入っていって、チャンスも作れるだろうし。前半の最初もそうですし。自分がボックスの近くでプレーすることによって、チャンスが作れると思うので。そこの回数を増やす必要はあった」
田中はそう振り返る。相手も3ー4ー2ー1で、守備では5ー4ー1のブロックを組んで構えてくる中で、自分たちからアクションを起こして崩すにはボランチが前に出ていくことは欠かせない。これまでの3試合、どちらかというと遠藤が6番、守田が8番の役割を担って、たまに逆転させるという図式が成り立っていたところから、どちらかというと守田がバランサーで、田中が前に出ていく役割の比重が大きくなる。そうであれば、やはり田中がもっとアグレッシブに出て、ゴール前の局面に絡んでいっても良かったのは確かだ。
ただ、やはり3連勝の日本としては相手に勝ち点3を与えないという最低限のミッションもあり、ボランチはそこの生命線を握る。オーストラリアに守備の隙を与えないということを同時に行いながらの攻撃だったことも、前に出ていく難しさを強めたことも確かだ。それでも後半は守田を中央に残しながら、ワイドに出て町田浩樹が相手のシャドーを引き付けたスペースに開いて受けることで、三笘薫を前向きに出すなど、崩しの布石になる形を作り出そうとしていた時間帯のオウンゴールによる失点だった。