■「悔しいけど、力不足だった」
長谷川はすかさず走り込んでいったMF小見洋太へスルーパス。必死に戻ってきた佐々木だったが、小見のワンタッチシュートにほんのわずか届かなかった。
「もちろん3点で同点だったと思っていったのが、あと4点を取らなきゃいけなくなった。それでも全然下を向くことはなかった。とにかく、第1戦を含めて自分たちで試合を苦しくしてしまった。悔しいけど、力不足だったと感じています」
新潟との180分間をこう振り返った佐々木は、その胸中に期する思いを脈打たせていた。天皇杯を制した昨シーズン。両チームともに無得点のままもつれ込んだPK戦を、8-7で制した柏レイソルとの決勝で佐々木はピッチに立てなかった。
先発はおろかベンチ入りも果たせず、国立競技場のスタンドでの応援に回っていた佐々木は、流通経済大から加入して迎えるプロ3年目への誓いを立てている。
「今シーズンは何としてでも、タイトル獲得にかかわって終わりたいと思っていたのですごく悔しい。ただ、2試合合計で6失点している。自分が出ている間に6失点もしていたら勝てない。無失点で抑えられるような選手になりたい」
今シーズンのリーグ戦ではここまで、累積警告による一度の出場停止を除いたチーム2位タイの31試合に出場。同2位の出場時間2533分をマークするなかで、センターバックだけでなくサイドバックでもフル回転してきた。