■「鹿島の存在意義は勝利」

 選手たちが今季終盤の戦いに集中できるような環境作りを進めていくことは、今の鹿島にとって最重要テーマ。そのうえで、彼らは2025年以降のベストな陣容も考えていくことが肝要だ。中後監督が継続するのか、OBの鬼木達監督(現川崎)やパリ五輪代表を率いた大岩剛監督らを招聘するのかは未知数だが、監督をコロコロ変えていたらチームの強固な基盤は築けない。過去5年間で5人も監督が代わったことを踏まえ、彼らは同じことを繰り返してはいけないのだ。
 小泉文明社長は「鹿島の存在意義は勝利」としばしば語っているが、多くのサポーターからタイトルを求められ、それが叶わなければすぐに監督のクビを切るという悪循環を続ける限り、監督の引き受け手がなくなる恐れもある。クラブとしてこの先、どういう方向に進むべきなのかを今こそしっかりと考え、ビジョンを提示していくべきだ。
 とにかく、モヤモヤ感の続く現状をいち早く打破し、クリアな状態にすることを多くの人々が強く求めている。それを小泉社長らクラブ幹部には今一度、強く認識してほしい。
(取材・文/元川悦子)

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