■「とりあえず前に入ってプレッシャーに行こう」

 右ウイングバックでスタメン起用された堂安律も、左ウイングのサレム・アルドサリの対応に追われてポジションが低くなり、左の三笘薫と合わせて5バックで構える時間が長くなっていた。前半の終わり頃からウォーミングアップエリアで体を動かしていた伊東はハーフタイムにも入念な準備をして、後半スタートから投入された。
「特に守備の指示はなかったです。とりあえず前に入ってプレッシャーに行こうと。(前半から)自分だったら、もうちょい寄せてというのは思ってましたし、多分、そこは前半で(堂安)律とか(板倉)滉とか(南野)拓実も思ってて。後半俺が入ったら、なるべく張ってるやつに対応できるようにという感じで行こうと思ってました」
 伊東がサレム・アルドサリに厳しくチェックすることで、サウジアラビアは同サイドに明確な起点をなかなか作れなくなった。「前を向かせて仕掛けられることも後半はゼロだったので、いいプレッシャーかけられたかなと思います」と伊東。ロベルト・マンチーニ監督は後半16分に選手交代を行い、同時にシステムを4ー3ー3から3ー5ー2に変更。サレム・アルドサリを左のシャドーに入れて、左井インサイドハーフだったナセル・アルドサリを左外に張らせる。伊東は周囲の選手とうまくアジャストしながら、ナセル・アルドサリにプレッシャーをかけた。
(取材・文/河治良幸)

(2)へ続く
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