「真ん中を狙ってって言われていたので。ファーストポストを越すボールを狙っていただけです。(谷口)彰悟くんと(小川)航基が良い入りをしていたので、どっちに合っても入っていたかなと思います」
後半36分に、CKから2点目をアシストしたシーンについて、伊東純也はそのように振り返った。結果的にフリーで合わせてゴールを決めたのはFWの小川だ。相手が一人傷んでピッチ外に出ていた好機を生かした形だ。
サウジアラビアに大きなダメージを与えることとなり、まだ10分残していたにも関わらず、ジェッダのキング・アブドゥラー・スタジアムに詰めかけた観客の多くが席を立ち出した。まさしく”完全アウェー”を打ち破るゴールとなった。
アジアカップ以来の復帰となった9月の2試合に続き、途中投入から右ウイングバックで効果的な働きしながら、しっかりと目に見える結果も残した伊東の存在感は絶大だ。縦に切り裂く高速ドリブルはもちろん、この日、日本に良い流れを引き寄せたのは精力的なデュフェンスだった。サウジアラビアに対して、3バックと4バックの両方を想定していたという日本は立ち上がりを制して、前半14分に流れの中から見事な先制ゴールを奪った。しかし、そこから徐々にサウジアラビアにペースを握られると、自陣で跳ね返すシーンも多くなる。