■「試合への入りとしては悪くなかった」

 48歳の熱血指揮官の言葉に通じる檄を、乾は円陣でチームへ投げかけていた。
「試合への入りとしては悪くなかった。実際に相手を前へ押し込めていたけど、そこで点を取れないとか、相手のプレッシャーがちょっと緩くなったときに、ひと息ついてしまったようなところがあった。もちろんあれで簡単に失点してしまうと厳しい試合になってしまうので、そのへんは全員で反省しないといけない」
 今シーズンの軌跡を振り返れば、1-4で大敗したV・ファーレン長崎との第3節、0-3で完敗した愛媛FCとの第20節、そして1-3で連敗を喫したブラウブリッツ秋田との第21節と失点の連鎖が止まらなくなる試合もあった。
 しかし、この日は違った。前半は7本ずつを放ったシュート数で、後半は清水が9対2と水戸を圧倒。そのうちの2本をゴールに結びつけて、2-2の引き分けにもち込んだ原動力のひとつに、ピッチ上で顔をのぞかせかけていた「緩さ」や「ぬるさ」を排除した意味で、間違いなく青空ミーティングの開催意義があった。
(取材・文/藤江直人)
(後編へ続く)

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