■「それでもアベレージくらいのプレーは出せていた」

 それでも守護神チョン・ソンリョンの好守などで、両チームともに無得点で進んでいった一戦が動いたのは19分。自陣のゴール前でパスを受けたDF高井幸大の選択肢が、キム・ジンホに大きく制限をかけられた直後だった。
 左前方に降りてきた遠野を狙った高井のパスがずれる。ボールをカットしたシン・チャンムが、すかさずキム・ジンホへスルーパスを通す。ペナルティーエリアへ侵入された直後に、慌てて追走してきたDFセサル・アイダルが倒してしまった。
「自分の判断ミスで、難しい試合展開にしてしまった印象です」
 イラクのモハナド・サレー主審が宣告したPKを、アルバニア代表のヤシル・アサニがゴール左へ決めたのが22分。結果的に決勝点となったPKにつながったミスを犯しても、日本代表に名を連ねる20歳のホープは絶対に下を向かなかった。
「ミスをした後はメンタル的に厳しいところもありましたけど、それでもアベレージくらいのプレーは出せていたと思うので。またひとつ成長じゃないですけど、自分のなかでサッカーに対するものがより変わったかな、と思っています」

  1. 1
  2. 2
  3. 3