■秋葉采配がズバリ的中!!
清水の秋葉監督は、後半開始とともに交代カードを切る。ダブルボランチの一角を担っていたMF宮本航汰が退き、MF矢島慎也がピッチに立つ。4-2-3-1なら2列目で、3-4-2-1なら2シャドーでの途中出場が多い矢島が、この日はボランチに入った。
これが奏功する。52分、矢島がピッチ中央からMFルーカス・ブラガへ縦パスを通すと、攻撃のスイッチが入った。ルーカス・ブラガからFW北川航也へパスがつながり、北川のトリッキーなヒールパスから西澤が右足で決め切った。前半は効果的にボールに絡めなかった西澤が、ワンチャンスを生かして同点ゴールを決めてみせた。
ここから、清水がたたみかける。58分、西澤が右CKを供給すると、マンツーマンのマークを剥がしたDF住吉ジェラニレショーンがフリーでヘディングシュートを突き刺した。
さらに60分、敵陣でパスカットした北川が持ち出すと、MF乾貴士が北川を追い越す。ペナルティエリ内左でパスを受けた乾は、右足ワンタッチシュートでゴールネットを揺らしたのだった。
わずか9分で3ゴールを叩き込んだ清水は、65分のルーカス・ブラガからカルリーニョス・ジュニオへの選手交代をきっかけに、システムを4-2-3-1から3-4-2-1へ変更する。後半アディションルタイムに2失点目を喫したものの、3対2で逃げ切って勝点3をつかんだ。
試合後のフラッシュインタビューで秋葉監督は、1得点1アシストの活躍を見せた西澤に触れ、思わず涙をこぼした。久しぶりの出場となった西澤がきっちり結果を残したことが、指揮官の感情を大きく揺さぶったのだった。
この日の勝利で勝点を71に伸ばした清水は、勝点70の横浜FCをかわして28節以来の首位に返り咲いた。次節はその横浜FCとの直接対決だ。この試合で勝点3をつかめば、J1自動昇格圏の2位以内確保がいよいよ現実味を帯びてくる。