■川辺駿が見せている成長

 そして川辺は3年ぶりの古巣復帰。彼もまた2列目とボランチを臨機応変にこなせて、ゴールも奪える選手だ。広島に戻ってきてからはまだ得点がないものの、3年間過ごした欧州ではグラスホッパ―でもスタンダール・リエージュでも7~9点をマークしており、前にJリーグで戦っていた頃とは異なるプレーヤーに変貌しつつあるのは確かだ。

「(欧州で)結果を出すっていう部分はすごく成長したと思いますし、結果を出さなきゃいけない試合で残せるようになった。やっぱり生きるか死ぬかの状況でプレーしてそこは研ぎ澄まされたと思います」と本人も自信をのぞかせる。

 ゴールに直結するプレーの鋭さという部分は14日の鹿島アントラーズ戦にも如実に出ていた。顕著だったのが、前半36分の松本泰志の2点目のアシスト。東峻希からのタテパスに反応し、左サイドから関川郁万を股抜きでかわしてペナルティエリア内に侵入。絶妙のスルーパスを出している。

「自分はドリブラーではないんで、いつ食いついてくるかなというのも待ってましたし、食いついてくるのを少し誘ってたんで、それがうまく抜けてよかったですし、その後も抜いただけじゃなく、ゴールに繋られて良かったかなと思います」と本人も駆け引きの勝利だったことを明かす。その戦術眼と敵の裏をかくプレーというのは本当にハイレベルだ。

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