今季のサンフレッチェ広島はご存じの通り、シーズン途中の6月に川村拓夢(ザルツブルク)、大橋祐紀(ブラックバーン)、野津田岳人(パトゥム)の3人が海外移籍に踏み切り、戦力ダウンに苦しんでいた。
ミヒャエル・スキッベ監督も「我々は優勝は意識していません。自分たちは主力を1人2人書くと全体的な強さを失ってしまう小さなクラブ」と自信を失ったかのような発言をした時期もあり、先行きが懸念されていた。
その窮地を救ったのが、8月に加入した34歳のトルガイ・アルスランと29歳の川辺駿という新戦力だ。
トルコ系ドイツ人のアルスランはボルシア・ドルトムントのアカデミー育ちで、ハンブルガーSV、ベシクタシュ、フェネルバフチェ、ウディネーゼ、メルボルン・シティなどを経て、Jリーグに初参戦。8月7日の東京ヴェルディ戦でデビューし、ここまでJ1で5ゴールをゲット。4日のルヴァン・名古屋戦でも決勝点を叩き出しており、決定力の高さは群を抜いている。
得点力があり、2列目もボランチもこなせる万能型MFというのは、スキッベ監督が求めていた人材に他ならない。彼の加入でチームにダイナミズムをもたらしていた川村の穴が一気に埋まった印象だ。