■風間監督の独特の表現「…残念だ」

 その後も、僕は時々、南葛SCの試合を見ている。

 4月10日には、天皇杯予選に当たる東京都トーナメントの社会人系代表決定戦(社会人系から2チーム、学生系から2チームが、東京都代表の座を争う)で、南葛SCがJFLの横河武蔵野FCに挑戦する試合を観戦した。

 だが、横河武蔵野の手堅いサッカーを前に攻撃を封じられ、前半19分に失点。そして、終了間際にPKを献上して南葛SCは姿を消した。

 風間監督は、「40人も選手がいるので1試合でも多く試合をしたい。だから、このトーナメントの試合がなくなってしまうのは残念だ」と独特の表現をした。大会で勝つことよりも、選手を伸ばすために試合数をこなしたいということだ。

 関東リーグ1部が開幕してからも、僕は時々、南葛SCを見に行った。いつ、風間効果が実を結ぶのか……。

 そして、7月21日に関東リーグ第11節の東京ユナイテッドFCとのアウェーゲームを見に行った。会場は味の素フィールド西が丘だった。

 試合は後半のアディショナルタイムにFWの加藤政哉が決めて南葛SCが1対0で勝利するという劇的な結末だったのだが、風間監督の「うまくなる」という視点から見ても、非常に見どころのある試合だった。

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