藤原愛里「絶妙トラップ弾」も…なでしこリーグ女王バトルが示す「WEリーグ」の成長と「2部リーグ」の問題【日本がベルギー級「輸出大国」になる日】(1)の画像
マンチェスター・シティで活躍する「なでしこジャパン」エースの長谷川唯。数多くの選手が海外リーグで活躍しているが、その背景には国内リーグの成長があった。撮影/渡辺航滋(Sony α-1)

 日本のサッカー界は、着実に成長している。ワールドカップやオリンピックなど大舞台での活躍はもちろん、その進化は日々の活動にも表れている。数多くの選手たちを世界の舞台へと送り出す日本サッカー界の「育成力」について、サッカージャーナリスト後藤健生がリポートする。

■昨年、一昨年の「チャンピオン」が激突

 9月1日の日曜日。僕は千葉県鴨川市で行われた日本女子サッカーリーグ(なでしこリーグ)1部第16節のオルカ鴨川FC対スフィーダ世田谷FCの試合を観戦に行った。

「なでしこリーグ」は、かつては日本の女子サッカー界のトップリーグだったが、2021年にWEリーグ(日本女子プロサッカーリーグ)がスタートしてからは、いわば2部リーグ的な存在となっている。

 鴨川は、昨年のなでしこリーグの優勝チーム。一方、世田谷は一昨年のチャンピオンチーム。今シーズンは現在、鴨川が5位、世田谷が6位ではあるが、なでしこリーグの強豪同士の一戦であることに間違いない。

 台風10号の影響で、東京都内や千葉県西部は激しい雨に祟られていたようだが、太平洋に面した鴨川市は一面の雲に覆われてはいたものの、前半の最後の時間帯に激しい雨に見舞われただけで、曇りの時間が長かった(16時キックオフの試合で、空が曇っていたため、後半はかなり暗くなってしまったが……)。

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