■求められる「初戦で勝てる戦い方」

 いずれにしても、”ベタ引き中国”を攻略するのは至難の業。6月の2次予選では韓国も攻めあぐね、イ・ガンイン(PSG)の一発で1-0でしぶとく勝利するのが精一杯だった。日本としてはゴール前にスペースがないことを想定し、できるだけ幅を取って、相手守備陣を引き出す効果的な攻めを構築していく必要がある。両サイドの推進力や打開力というのは日本の生命線。そこで数多くチャンスを作れれば、いつか必ず得点は生まれる。そういう意味でも、三笘、前田、中村敬斗の左サイドの使い分けは注視すべきポイントだ。

 試合状況によっては3バックへのシフトなども考えられる。となれば、ウイングバック(WB)に三笘、シャドウに中村敬斗を配置するなど、彼らを共存させる道も出てくる。そこで問われるのは指揮官の采配力だ。3年前の屈辱を糧に「初戦で勝てる戦い方」を森保監督にはしっかりと示してほしいものである。

(取材・文/元川悦子)

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