■札幌が後半に向けて共有していたこと
では、対戦相手の札幌は、押し込まれた前半からどういうイメージで後半に挑んだのか。この試合のMIPにも選出された菅野孝憲にその点について尋ねれば、最後尾からチームを見ていたからこそというハーフタイムの呼びかけについて以下のように振り返る。
「ロングシュートを打たれるレンジというか、フォワードと中盤のスペースが空いてしまう時間があって、もちろん（大埼）玲央がシュートブロックしてくれていたんですけど、そこのスペースのバランスは悪いよっていうことと、（川崎には）ロングシュートで決めきれるクオリティのある選手が多いので、 “コンパクトにするんだけど、ちゃんと自分のマークは見ようと”と」
さらに、「時間が経ってくればクロスも多くなってくるし、家長や大島君のインスイングの精度の高さもあるし、その対応で自分のマークを失わない。そういう一つ一つをもう1個エンジンを上げるとともに、クオリティを上げてかないと得点まではいけないよっていうのは確認しました」とも続ける。
そうした意識の中で複数得点を得た札幌だったが、「２－０でも全然安心ができる点差じゃない相手なので、残り１０分だろうがゼロに抑えて終わりたい」と、得点するたびにさらに気持ちを強めていったという。
