■ファンを熱狂させた「次代を担う」俊英たち
さまざまなゴタゴタがあったが、大会が始まるとサッカーファンは熱狂した。何よりも、次代を担う俊英たちが活気あふれるプレーを見せたことが大きかった。
マラドーナを中心とするアルゼンチンには、MFフアン・バルバス、FWガブリエル・カルデロン、そして何よりも、FWラモン・ディアスといった才能あふれる選手たちがいた。なかでもディアスは8得点を挙げ、6得点のマラドーナをしのいで得点王となった。後に不仲になったと言われるマラドーナとディアスだが、この大会の2人のコンビプレーには、そのままワールドカップに出してもトップクラスと呼べる質の高さがあった。
パラグアイのMFフリオ・セサル・ロメロは、神戸のファンを熱狂させた。三ツ沢では、ウルグアイのFWルベン・パスがスピードあふれる動きでファンの目を引いた。初戦で日本と対戦したスペインでは、センターバックのミゲル・テンディーリョがすでにバレンシアでレギュラーとして活躍している貫禄を見せた。